最終兵器彼女

 アニメ化するにしては、原作に対して話数が少ないのであるが、上手く纏められている作品である。また何よりそれ以上に、ちせとシュウジの高校生カップルらしいぎこちない会話の間や仕草が素晴らしいのだ。1・2話辺りの二人のやり取りの可愛らしさ、初々しさには、想わず頬が緩んでしまう。俯いて、顔を上げると愛しい人がそこにいる。その瞬間の切り取り方だけでも、単純な恋愛アニメとして作って欲しい、と想うくらいだ。そして、その甘酸っぱさが、戦争・人の死・地球の崩壊と終わり、というハードな状況と対比され、愛する事、生きる事の如何に尊い事か、という想いを見る者の胸に呼び起してくれる。原作自体がとても映像的に完成された作品でもあるのだが、ちせが神々しく兵器の羽根を広げるシーンの美しさ、ラジオから流れる懐かしいラブソング等、動く絵や音声でしか補完できない部分も再現されている事も評価したい。
 ラストシーンは原作とは違い、ちせよりもシュウジに罪を背負わせるような作りになっていて、救いという意味では原作よりもっと少ないのだが、ちせとの約束を果たし、”彼女”としてのちせを守る事という側面で見れば、原作に遜色ないラストを選択したと言えよう。
 声優の演技もとてもよく、特に声を裏返してまで叫ぶシーンが多いのだが、押し付けがましくない。シュウジの声が深く、脆弱さを持ちながら強い面も備えていて、「ちせは僕の女房だ。」と宣言するシーンでは、夫というには余りに幼く、でも精一杯にちせを想う心が滲んでいた。
 一瞬一瞬に眼を逸らさず、映画のようにじっと見詰めるのが良いと想う。瞬間の切り取り方の成功が、作品の成功に繋がっているアニメである。

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